過去の集団予防接種によるB型肝炎の感染に対して、国の責任の元にB型肝炎訴訟を起こし、給付金を受けとることができます。一人ひとりの体の状態に合わせて給付額が確定されており、発症して何年経過しているか、治療を受けているかいないかでも違いがでてきます。
発症していないキャリアであっても心配はいりません。キャリアで一度給付金をうけたとしても、その後病状が進行した場合は不足分として請求することができます。肝炎の治療費は他と比べても高額になるケースが多いため、これを期に不安要素のある方は、一度検査をうけてはいかがでしょうか。
期限つきのB型肝炎訴訟は専門弁護士へ
現在国が支給しているB型肝炎給付金に対して、専門弁護士によるサポートが行われています。
請求する上で必要な手続きのアドバイスや、B型肝炎訴訟手続きに至るまで全面的に支えています。深刻な病状を抱えての手続きは何かと負担となり、国も給付金の4パーセントを弁護士負担として支給しています。今回の給付金は時効期限つきのもので、平成34年1月12日までの請求者に限定されていますから、今一度自分が対象者かどうか確認しておくことが大切です。
昭和16年7月2日から昭和63年1月27日生まれの方で、7才までツベリクリン反応の検査や学校の集団予防接種によりB型肝炎に感染された方、またその母子感染、遺族の方が対象です。
B型肝炎訴訟の概要と背景
B型肝炎訴訟の成立背景
B型肝炎訴訟は、日本国内で行われた集団予防接種の際に使用された注射器の連続使用によって、多くの人々がB型肝炎ウイルスに感染したことが問題視され始めたことを背景にしています。この問題が顕在化したのは1980年代後半で、1989年に関連する訴訟が初めて提起されました。その後、2006年には国の責任が正式に認められ、2011年には法律が制定され、給付金の支給が制度化されました。
B型肝炎ウイルスは、幼少期に感染すると、キャリアとなる可能性が高く、長期間にわたる健康被害につながるとされています。特に、1948年から昭和63年にかけて、予防接種での注射針の使い回しが大きな感染源となり、国内では最大で40万人以上が感染したと見られています。この問題は法律的な処理が進められ、多くの給付金が支給されるに至りました。
訴訟対象者の条件と給付金の範囲
B型肝炎訴訟の対象者となるには、いくつかの条件を満たす必要があります。具体的には、B型肝炎ウイルスに「持続感染」していること、そして幼少期に行われた日本国内での集団予防接種に起因して感染したことを証明することが求められます。
給付金の範囲は感染状況や発症の有無により異なります。たとえば、無症候性キャリアの場合は原則として50万円の給付金が支給され、肝硬変や肝がんを発症している場合には最大で3600万円が支給されるケースもあります。このように、訴訟対象者の条件をしっかりと確認し、必要な証拠書類を揃えることが重要です。
なぜ海外在住者でも訴訟が可能なのか?
B型肝炎訴訟は海外在住者でも対象となることがあります。その理由は、日本で行われた予防接種に起因している感染である限り、訴訟の管轄が日本国内にあるためです。特に、日本での住民票がない場合や海外で発症した場合でも、必要な証拠を揃えれば、手続きが可能となっています。
また、被告が国である場合、海外在住であっても裁判は日本国内で行われるため、海外からでも訴訟を進めることができます。弁護士への依頼やオンラインでの相談が実現すれば、海外に居住している人々もスムーズに訴訟手続きを進めることができるでしょう。
訴訟への申請手順の全体像
B型肝炎訴訟の申請手順は、まず必要書類を揃えることから始まります。具体的には、B型肝炎ウイルスの持続感染を証明する持続感染証明書や医療記録、診断書などが必要です。また、これらの証拠書類をもとに自己申告書を作成し、訴訟の申し立てを行います。
海外在住者の場合、医療記録の収集や翻訳が必要となることがあります。たとえば、海外の病院で発行されたカルテの日本語翻訳や、必要事項を抽出する作業が発生する場合があります。こういった手続きを弁護士や専門家に依頼することで、効率的に進めることができます。また、日本の法律事務所が海外の訴訟手続きに対応しているケースも増えており、専門的なサポートを受けることが可能です。
B型肝炎訴訟は全国で展開
全国に、色々なトラブルでB型肝炎に陥ってしまった患者さんがいます。何とかしたいと思っている時、法律事務所の弁護士に相談してB型肝炎訴訟を起こしたほうがいいとされます。
これで実際に認められて、給付金が受け取れるようになれば少しは安心します。
ただ病気が解消されるわけでもありませんし、事実上国の責任を認めてもらうだけで、金銭面でのトラブルを解消するだけと思ってください。
それでもB型肝炎が原因で死亡した場合、遺族が訴訟を起こしてお金を受け取ることも可能です。様々な問題が起こる病気ですから、全国で訴訟の取り組みは行われています。